連合30年、薄れる存在感=遠い1000万人、かじ取り難しく (10/12)

連合30年、薄れる存在感=遠い1000万人、かじ取り難しく
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2019/10/12(土) 7:18配信 時事通信

連合30年、薄れる存在感=遠い1000万人、かじ取り難しく
記者会見する連合の神津里季生会長=11日午後、東京都千代田区

 連合は11日の定期大会で、神津里季生会長(63)の続投を正式決定した。

 1989年に官公庁を中心とする日本労働組合総評議会と、主に民間企業の全日本労働総同盟が統合して30年。「第2のスタート」に位置付けるが、目指した組合員1000万人は遠く、支援政党も分裂し、存在感が薄れつつある。

 連合の組合員数は2年目の808万人がピーク。雇用の流動化や組合活動の敬遠などで、2007年に664万人まで落ち込んだ。現在は700万人を回復したが、増加はパートなどの非正規労働者が中心だ。

 組織力の低下は、政治力の低下に直結している。連合の国政選挙における集票能力は「200万を切っている」(産別首脳)とみられ、支援する立憲民主党や国民民主党は伸び悩む。安倍政権を支持する組合員も多く、幹部の危機感は強い。

 政府が年金や医療などの改革を議論する「全世代型社会保障検討会議」には、経済界代表の経団連会長は参加するが、連合会長の席はない。幹部は「労働界代表は入ってしかるべきだ。そうなっていないのは大きな課題だ」と嘆く。

 旧民進党系勢力の結集も、誕生したばかりの新会派は既にまとまりを欠く。神津会長は定期大会後の記者会見で「総選挙になる段階で、すっきりした形でこの党を応援するという状況を期待する」と述べるにとどめたが、次期衆院選の支援は頭の痛い問題だ。

 神津会長には2年前、希望の党結成に立ち会い、民進党分裂を招いた過去がある。非自民勢力を結集し、細川政権を誕生させた山岸章初代連合会長のような役割は果たしにくい。続投で過去最長に並ぶ3期目を迎えるが、かじ取りは極めて難しい状況だ。  

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