教師“サービス残業”常態化、“働き方”新法案に反対の声 (11/18)

教師“サービス残業”常態化、“働き方”新法案に反対の声
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2019/11/18 TBS News

 長時間労働が問題となっている学校の教師。その働き方を改革するため、政府がまとめようとしている法案に対し、「現場のことが分かっていない」と、教師ら3万3000人が反対の声をあげています。
「これが吉田松陰のプリントですね。これも松下村塾の写真を撮りに行って、山口県に」(西村祐二教諭)
岐阜県の公立高校教師・西村祐二さん。授業で使うプリントを自分で作っていますが、実はこの作業、「サービス残業」だと言います。
50年近く前にできた法律で、教師の残業代は一律、給与のたった4%に抑えられています。いくら授業の準備に時間をかけても残業代は増えず、「定額働かせ放題」なのです。
一方で、学校では朝から夕方まで授業や会議などがあり、授業の準備に充てる時間はなかなかとれません。
「準備不足の授業をするのは、教師のプライドとして自分が嫌だなと思ってしまうので、可能なかぎりは家で準備をしています」(西村祐二教諭)
月80時間に及ぶという手当ての出ない残業。全国調査でも、超過勤務が過労死ラインを超える教師が小学校で3割、中学校で6割にのぼっています。
そんななか、国はある仕組みの導入を検討しています。忙しい学期中は、定時勤務の時間を延ばします。残業せずに、学校で授業の準備などをしてもらおうという狙いです。その代わり、子どもの夏休み期間中の勤務時間を減らして休みをまとめどりしやすくするという仕組み、「変形労働時間制」です。
しかし、西村さんは・・・
「憤りしかないですよね。ただでさえ、放課後もぎっちりと会議が詰め込まれているなかで、1時間定時が延びると、さらに1時間分、何か(業務を)加えられるぞということになる」(西村祐二教諭)
学期中に定時の時間が延びても、授業の準備に充てられるとは思えないと言います。
さらに、政府は子どもの夏休み期間中に休めと言いますが・・・
「8月の生徒がいない時期に、進学書類を作ったりしている。本当に現場を分かっていないとしか言いようがない」(西村祐二教諭)
西村さんが呼びかけたところ、変形労働時間制導入に反対する署名が3万3000人分も集まりました。専門家は・・・
「(夏休み中に)闇残業みたいなことが起きてくることが非常に危惧されます。業務を減らし、教員の数を増やすことが根本的な施策として必要かなと思います」(名古屋大学大学院 内田良准教授)
「現場はどう思いますか、賛成ですか反対ですかと声を聞いたうえで、導入するもしないも考えてほしい」(西村祐二教諭)
現場の声を聞いてほしいと訴える西村さん。しかし、「変形労働時間制」の導入を可能にする法案は、19日に衆議院を通過し、参議院に送られる見通しです
 

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