G7で最低。日本の #ジェンダーギャップ121位 はどれくらい「ひどい」のか (12/17)

G7で最低。日本の #ジェンダーギャップ121位 はどれくらい「ひどい」のか
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2019/12/17(火) 18:30配信Forbes JAPAN

G7で最低。日本の #ジェンダーギャップ121位 はどれくらい「ひどい」のか

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世界経済フォーラム(WEF)は、各国の男女格差の大きさを調査した「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」2019年版を12月17日に発表した。日本は調査対象となった世界153カ国のうち、121位(2018年は110位)、G7のなかで最低だった。

ジェンダー・ギャップ指数では、各国の男女の格差を経済・教育・健康・政治の4分野14項目で分析。各分野における男女格差に着目し、評価している。

日本の評価は、教育ならびに健康の分野は高いものの、経済と政治の分野は芳しくない。政治分野における男女の権限にて、日本のランクは144位(スコア0.049)。経済的機会においては115位(スコア0.598)と、他の先進国と比較しても著しく低い結果となった。ちなみにアイスランドは政治分野で1位(スコア0.701)、経済分野で2位(スコア0.839)だった。

男女格差解消に貢献する上位の国々は1位から、アイスランド、ノルウェー、フィンランド、スウェーデンと北欧諸国が並んだ。

この121位という結果についてSNS上で話題となっており、反応は様々だ。

そこで120位のアラブ首長国連邦、122位のクウェートがどんな国かみることで、「121位」を実感する、ヒントになるのではないだろうか。2カ国の実態を調べた。

120位 アラブ首長国連邦

中東に位置する同国は、人口が約940万人。イスラム教を国教とし、7つの首長国からなる連邦制国家。2006年では101位、政治分野で回復は改善があったものの、経済分野で数字を落とした。

・2006年の段階で労働市場にいる女性は20%に満たなかった。

・結婚していない男女の性行為や結婚しないままの出産も違法。結婚前の同棲も違法。

・再婚するには男性の許可が必要で、イスラム教徒の女性が非イスラム教徒の男性と結婚することは違法だ。

・ドバイでは、アラブ首長国連邦(UAE)のジェンダーバランスを改善するためにつくられたジェンダーバランス表彰が行われ、表彰された人が「全員男性」だったと話題になった。

男女格差で日本と競るクウェートの実情
122位 クウェート

西アジア・中東に位置する。2006年では86位だったが、2019年には122位に転落。特に「健康」、「教育」そして「政治」の分野で他と大きく引き離された。

・公立学校は、男女別々に教えている。食堂やバスの待合室も男女別々なところがある。

・女性参政権を獲得したのは、2005年。2009年にやっと4人の女性議員が初めて誕生した。

・湾岸諸国の中では、女性の社会進出は比較的多いとされるが、世界全体で見ればまだまだ低い。

・女性から離婚したい場合、2人の男性の承認が必要。虐待の証拠がない限り、離婚できない。

・健康に害があるとみなされた専門職につくことは禁止されている。

中東ジャーナリストの川上泰徳は、NEWSWEEK(ニューズウィーク)の寄稿で「女性の社会進出を阻む要因が明確な中東で、女性たちの話を聞いてきた経験から考えるなら、問題の所在が見えにくい日本の状況は、中東よりも深刻に思える」と記している。(「日本と中東の男女格差はどちらが深刻か」)この記事は3年前に掲載されている。3年後、日本の順位はさらに低くなっている。

中東と違って日本は宗教などの厳しい戒律はないが、このジェンダーギャップ指数は、なかなか表に出てこない「格差」をも数値化する上で便利だ。まずはこの現実を受け止めることが大事だろう。

日本の女性議員数は、2019年1月時点で衆議院で465中47人、参議院で242中50人だった。また、帝国データバンクの発表よると、女性管理職の割合は7.7%だった。「平等」とは程遠い数字にある。

このランキングを重く受け止めた上で、2020年何ができるか考える。個人として、組織として、家族として…。

男女格差が「中東レベル」の日本、2020年からどう変われるかが問われるだろう。

Forbes JAPAN 編集部
 

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