20年春闘スタート、賃上げ重視か意欲向上か 労使に温度差
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2020年01月28日13時13分 時事通信
〔写真〕春闘について経団連の中西宏明会長と会談する連合の神津里季生会長=28日午前、東京都千代田区
経団連の中西宏明会長と連合の神津里季生会長は28日午前、東京都内で会談し、2020年春闘が始まった。中西氏は「働く人の生き方と企業の方向が合致して力を出していかないと、日本経済は活性化しない」と述べ、働く意欲を高める仕組みづくりなど労働環境の整備が必要だと指摘。これに対し、神津氏は「賃上げのうねりは社会全体のものになっていない」と格差是正に向けた賃金改善を求め、温度差が浮き彫りになった。
経団連によると、大企業の賃上げ率は昨年まで6年連続で2%を超えた。労使は賃上げ継続が重要との認識では一致している。ただ、経団連は今春闘の経営側指針で、各企業の実情に基づく対応や、年齢・成果に応じた重点配分を提案。横並びをやめるべきだと強調している。
春闘について連合の神津里季生会長と会談する経団連の中西宏明会長=28日午前、東京都千代田区
中西氏は会談で「日本の(雇用の)仕組みはかなり見直さないと駄目だ」と述べ、終身雇用など日本型雇用制度の見直しをめぐる議論も呼び掛けた。
一方、神津氏は「(経団連の主張は正規・非正規労働者の処遇差など)20年間置き去りにされてきた課題の解決と整合しない恐れもある」と指摘。基本給を底上げする2%程度のベースアップや企業内最低賃金の引き上げなど、賃金改善を通じた格差是正を求めた。
同日は労使トップ会談に続き、経団連労使フォーラムも開催。自動車や電機など大手企業の労働組合は今後、経営側に要求書を提出し、3月中旬の集中回答日に向け攻防を繰り広げる。
労使とも賃上げの必要性は一致 春闘、連合・経団連トップ会談
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2020/1/28 10:34 (JST) ©一般社団法人共同通信社
会談する連合の神津里季生会長(左端)と経団連の中西宏明会長(右端)=28日午前、東京・大手町の経団連会館
連合の神津里季生会長と経団連の中西宏明会長が28日、東京都内で会談、2020年春闘の攻防が本格化した。中西会長は「ここ連続で続いているモメンタム(勢い)は大事だ」と強調、労使とも賃上げの必要性で一致した。一方、神津会長は「うねりは社会全体になっていない。分配構造の転換につながり得る春闘にしたい」と、中小企業で働く人たちや非正規労働者ら幅広い労働者が実感を得られる形の賃上げを求めた。
今春闘は米中貿易摩擦などで景気の減速感が漂う中、ベースアップを含む賃上げを持続できるかどうかが焦点。組合側は2月中旬ごろに経営側に要求書を提出。大手の回答は3月中旬がヤマ場。