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朝日デジタル 2015年6月24日
企業の総合職として採用される倍率は、2014年4月入社では男性が30倍だったのに対し、女性は43倍だった。厚生労働省が23日まとめた。男女の格差は依然としてあるものの、女性の倍率は、景気回復による採用増もあって、12年の71倍からは大きく低下した。
企画立案や営業、研究職などを中心とする総合職、定型的な業務が中心の一般職など、複数のコースを設けて人事管理をする全国の企業118社が答えた。
これらの企業が昨年4月に総合職として採用したのは計1438人。採用の厳しさを示す応募者に対する採用倍率は、調査を始めた98年から女性は男性よりも高く、採用されにくい傾向が続いてきた。
採用した人の割合では、女性は22・2%で12年の18・8%から微増にとどまった。管理職を輩出する総合職での女性採用が低迷すれば、政権が掲げる「2020年までに指導的立場に女性を3割」という目標の達成は難しくなる。
企業が「営業は男性しか採らない」と決めていたり、面接で女性だけに子どもが生まれた後も働き続けるかどうかを質問したりするのは、男女雇用機会均等法に違反する。厚労省の担当者は「本来、男女で能力の差はないのに、倍率に差があるのは合理的ではない」と企業への行政指導を徹底する方針。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの矢島洋子主任研究員は「多少でも採用倍率の男女差が縮まったのは企業の取り組みの成果。女性の力を必要だと考える企業が増えたことや、景気回復で全体の採用を増やしたことが背景にある」と話す。(高橋末菜)