朝日DIGITAL 2016年7月25日
http://www.asahi.com/articles/ASJ7T3HLCJ7TOIPE00G.html
大学生らを酷使する「ブラックバイト」問題に取り組む愛知県の弁護団が今月、名古屋市の家庭教師派遣会社に対し、学生アルバイトとの契約の一部が労働基準法に触れるとして、契約内容の是正を求める申し入れをした。弁護団によると、ブラックバイト問題で家庭教師業界に是正を申し入れるのは全国初という。
ブラックバイト問題
弁護団が25日に記者会見を開き、明らかにした。
この会社は、家庭教師の学生アルバイトを「個人事業主」として扱い、業務委託契約を締結。学生との間で「生徒紹介契約書」を交わし、会社から学生に生徒を紹介していた。
この契約書には、指導後の報告書に記入漏れなどの不備があれば賃金を支払わない▽怠惰な行為があればペナルティー3万円▽いかなる理由でも交代できない――といった、不合理な内容が含まれていた。
ログイン前の続き同社についてはこれまで、学生から複数の相談が弁護団に寄せられ、実際にペナルティーを支払った学生もいるという。
弁護団は「実態を見れば個人事業主ではなく労働者なのに、労働者としての権利が保障されていない」と問題を指摘している。
会見に同席した、ブラックバイト問題に詳しい大内裕和・中京大教授(教育社会学)は「これまで見てきた中でも最悪の契約。こんなひどいことが教育産業でまかり通っている」と非難した。弁護団事務局長の久野由詠弁護士は「この会社だけでなく業界全体の問題として追及していく」と話している。(仲程雄平)