「マスク禁止」「仕事ない」 労働相談窓口に切実な声―内定に影響も?・新型コロナ
NHK News 2020年03月07日13時36分
〔写真〕新型コロナウイルスに関する緊急労働相談ダイヤルの電話対応をする東京都労働相談情報センター職員=6日、東京都千代田区
「職場でマスク着用を禁止されている」「一斉休校で仕事がなくなりそう」。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、東京都などが設置した労働相談窓口にこんな悩みが寄せられている。インターネット交流サイト(SNS)には「内定を取り消された」という投稿も。切実な訴えからは、労働者にも雇用者にも不安や戸惑いが広がっている様子が浮かぶ。
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東京都労働相談情報センターでは1月末ごろから、ウイルスをめぐるトラブルの相談が増加。2月27日に「緊急労働相談ダイヤル」(電話0570―00―6110)を開設したところ、今月6日時点で230件の相談が寄せられた。
同センターによると、相談内容は「マスクを着けて仕事をしたいが、接客業のため会社に禁じられた」「海外旅行から帰ったら自宅待機を命じられ、欠勤扱いにされた」など多岐にわたる。中には「家族に中国人がいるというだけで出勤を見合わせるよう言われた」という人もいた。事業者側からも「仕事が全くなくなってしまい、雇用が維持できない」などの相談が寄せられた。
日本労働組合総連合会(連合)もウイルスに関する職場問題の集中電話相談を受け付け、今月4、5日に計191件の相談が寄せられた。「仕事を休みたいが、解雇されそうで言えない」「隣でせきをする上司にマスクをしてほしいが言い出せない」といった内容で、特に非正規労働者からの収入減に関する相談が多かったという。
ツイッターでは、感染拡大の影響で内定取り消しや雇用条件の不利な変更を求められたという人の声も。都労働相談情報センターの横山勲・相談調査課長は「一斉休校や仕事の急減など、予想もしなかったことが次々と起き、労働者も雇用者も困惑していることがうかがえる。少しでも不安や心配があれば気軽に相談を」と呼び掛けている。