設計労務単価、初の2万円台/「実際の賃金との差埋めよう」
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連合通信 2020/03/10
国土交通省はこのほど、新しい公共工事設計労務単価(今年3月から適用)を発表した。公共工事の精算の際、建設労働者が受け取るべき賃金として設定されるもので、8年連続の引き上げ。末端の労働者に対して、その金額をどう確保するかが課題だ。
設計労務単価は、全都道府県・51職種別に設定されている。今年の全国全職種平均値は2万214円で、初めて2万円を超えた。
末端の労働者にその額が支払われているわけではない。下位業者ほど買い叩かれる「下請け重層構造」であることと、上位企業に請求する見積書で事業主が負担する必要経費などをしっかり請求できない慣行があるためだ。上位企業に請求できないまま必要経費を確保すれば賃金部分を削らざるを得ないという。
●賃金・単価引き上げ求め
設計労務単価の引き上げは建設産業全体の賃金底上げが狙い。だが、全建総連の調査(19年・12万人対象)によると、実際の賃金と設計労務単価との差は開く一方だ。1日当たりの平均賃金は常用で1万5308円。19年の設計労務単価と比較すると4084円もの差になる。1日「2万円以上」の賃金を得ているのは16・6%にとどまる。
全建総連は春闘期に合わせて、賃金・単価引き上げなどを求める宣伝行動を全国で行っている。(つづく)
【関連ニュース】
「公務建設従事者と連携強め、賃上げを業界一丸で」建設労働者の春闘へ決起
http://www.kenseturoren.or.jp/archives/2109
神奈川県建設労働組合連合会 2020年3月4日
「建設労働者2・19春闘イエローアクション」が2月19日に取り組まれ、ニッショーホール(港区虎ノ門)で集会を開催し、新橋駅前で宣伝行動に取り組みました。首都圏の建設関係組合が主催しました。
JR 新橋駅前をジャック。街頭へ要求アピール
全体集会の主催者あいつで建設首都圏共闘の松本議長(東京土建副中央執行委員長)は「業界一丸となって週休2日の確保、長時間労働の是正、賃金・社会保障の整備、建設キャリアアップシステムをすすめてきました。8年連続となる設計労務単価が引き上げられ、法定福利費と有給休暇取得分を反映したとされたが、現場の賃金の上昇はごくわずか。抜本的な改善を求めていくことは大きな要求課題となっています」と参加者に呼びかけました。
学習講演では、国土交通労組の梶田書記次長から「地球温暖化と異常気象の実態」を主題とした、自身の気象台勤務の経験からの頻発する気象災害についての講演、国土交通労組関東建設支部の葛西副執行委員長から「河川行政の歴史と問題点」のテーマで、江戸時代からつづく河川改修や、現在の公務員の人減らし、予算削減による影響が話されました。
現場からの発言では、災害ボランティアに携わった千葉土建や、建交労のダンプ運転手の仲間につづき、神奈川土建の加賀さんが請求・要求運動について報告しました。
集会終了後、JR新橋駅前SL広場で大宣伝行動に取り組み、黄色い軍手をつけ、横断幕と「賃金引上げ」「建設産業の若者育成」のプラカードでアピール。建設労働者の訴えを記載したポケットテッシュの配布しながら、街頭に呼びかけました。
参加者の声「現場に賃金届かず」(神奈川土建・左官・Kさん)
コンクリやモルタルを打つ仕事をしていますが、仕事が少ないです。手取りは10年前よりはやや上がっていると思うけど、元請けしだいかな。設計労務単価は上がっても、現場にはきませんね。
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□論説−私論・公論 – 服部信一郎「ILO94条約―公契約条例の制定で、公正社会を」
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