自治体非常勤の待遇改善 「会計年度任用職員」新設
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時事通信 2020年04月01日07時25分
全国の自治体で働く臨時・非常勤職員のための新制度が1日からスタート。これまであいまいだった採用根拠を整理し、新設する「会計年度任用職員」に大半の人を移行。期末手当の支給対象として待遇改善につなげるのが目的だ。ただ、期末手当が出る代わりに月給を減らされ、待遇が良くならないとの声も根強い。
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臨時・非常勤職員は2016年時点で64万3000人。05年の45万6000人と比べ、1.4倍に増えた。地方財政が厳しさを増す中、教育や子育てなど多様な行政需要に対応する必要があるからだ。
これらの職員は「特別職」「臨時的任用」「一般職」のどれかで任用されるが、その線引きはあいまいだった。政府が常勤職員との不合理な待遇差をなくす「同一労働同一賃金」を掲げる中、非常勤職員は期末手当の支給対象ではなく、給与面の課題もあった。
そのため総務省は特別職を「専門知識・経験のある人」、臨時的任用を「常勤に欠員が出た場合」に限定し、定義を厳格化。それ以外は会計年度任用職員に移し、期末手当を支給できるようにした。フルタイムには退職金も支払う。自治体の人件費の増加に対応するため、総務省は約1700億円を財政支援する。
ただそうした中でも、期末手当を支払う代わりに月給を下げる動きがある。勤務時間をわずかに短縮し、退職金の対象にならないパートタイムで雇う自治体も見られる。総務省は「制度の趣旨に沿わない」として見直しを求めているが、一部の労働組合には依然不安の声が寄せられる。同省は今後、全国の自治体の運用状況を調査し、問題があれば指導する方針だ。