感染拡大する中 「保育士が足りない」訴え相次ぐ (4/2)

感染拡大する中 「保育士が足りない」訴え相次ぐ
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NHK News 2020年4月2日 17時16分

新型コロナウイルスの感染拡大の影響による解雇や雇い止めが増える中でも、人手不足による大きな不安を抱える職場もあります。その一つが保育所です。今、「保育士が足りない」と訴える声が相次いでいるのです。

相次ぐ投稿「保育士辞めます」
「人が足りないから連日、職員が熱で勤務。クラスター発生の可能性あり」
「体調不良でも出勤している保育士です。コロナが終息したら保育士辞めます」
「夏には辞めようと思う…もう無理」。

今、ツイッターには、保育士からのこうした投稿が相次いでいます。小中学校などの一斉休校が続く一方、通常どおり子どもを見続けている保育所の現場で、いったい何が起きているのでしょうか?

現場の不安「ぎりぎり」
「精神的にも、ぎりぎりの状態です」

こう話すのは、東京都内の保育所の所長です。不安の背景には、新型コロナウイルスの感染拡大があります。

およそ100人の子どもの命を預かるこの保育所。ウイルス対策には万全を期しているつもりですが、保育士みずからが感染してしまわないか、何よりも子どもを感染させてしまわないか。不安の中で、子どもを見ているというのです。

「保育所閉める検討も…」
不安のもう1つの原因が、「人手不足」です。

この保育所の保育士は、短時間勤務の人も含めおよそ40人。保育士の不足が続き、常に余裕のない状態でシフトを回しています。例えば、すでに退職した職員3人に「1日、3時間だけでも」と頼み込んで現場に戻ってもらい、シフトに入ってもらっています。

学校の一斉休校で子どもが休んでも自分は休むことはできず、親や親戚に子どもを預けながら、出勤している保育士もいると言います。

このような状態でも行政からの支援は布マスクの配布などにとどまり、人手の確保に対しての支援はほとんどありません。こうした中、保育士の一部でも体調不良になってしまったら、保育所を開き続けることが難しくなると、所長は考えています。

(所長)
「学校は休校の措置がある一方で、保育所は通常の対応を求められています。そうした中でも、国や自治体からはこうした状態を変える支援が何もありません。このままでは、一時的に保育所を閉めることも検討しなければならない状況です」
「人手不足が加速する」
所長は最近、この労働環境のままでは、保育士はいなくなってしまうのではないかという危機感を持つようになりました。実際、新型コロナウイルスのニュースが大きく取り上げられるようになってから、それまで少ないながらもあった採用希望者がまったく来なくなったと言うのです。

所長は、今こそ、働く親を支え小さい子どもの命を守る保育士の声に、耳を傾けてほしいと訴えます。

(所長)
「新規採用の希望者が来なくなったのは、不安の中でも働かなければいけない保育士の実情を知って、敬遠されてしまったのではないかと考えています。このまま保育士の処遇が改善できなければ、保育士の人手不足は加速するばかりです」 

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