月100時間超の残業まん延/過労死・過労自殺110番/上司からのパワハラ、後絶たず

 過労死弁護団全国連絡会議などは六月十四日、全国二十九都道府県で「過労死・過労自殺一一〇番」を実施した。九十一件の相談が寄せられ、うち四十九件が労災補償に関するものだった。月百時間を超える残業の末に死亡、精神疾患というケースが多いほか、上司からのいじめも後を絶たない。
 当日は、岩手・宮城内陸地震の影響でテレビ報道などが十分に行われず、九十一件にとどまった。
 「一カ月に百時間の残業を三十年程度続けて五月に倒れた」(四十歳代男性・大学職員)、「下請け作業員として派遣。運転手として週六日、一日当たり四〜五時間の残業で、三カ月目に脳梗塞(こうそく)」(五十歳代・建設業)、「名ばかり店長に近い扱いをされる中で長時間労働が続き、業務軽減の支援体制もなく精神疾患にかかり自殺」(製薬業)など長時間労働が原因と訴える相談が少なくない。

 特に、精神疾患のケースでは上司からのいじめ・パワハラが目立つ。
 「休日出勤をするほどの長時間労働の中で、上司から『消えろ』などとば声を浴びせられたり、土下座を強要されて精神疾患で休職した」(男性・製造業)、「土日も出勤するなかで校長からパワハラを受け、精神疾患にかかり自殺未遂。現在休職中」(四十歳代男性・高校教頭)など。
 予防相談では、圧倒的に長時間労働の現状を訴えるものが多い。「公立学校で一日十四時間の勤務」「一カ月に百二十時間の残業。残業代もない」「過去二年間は月百時間以上の時間外労働。最近は朝五時に帰宅し、仮眠して朝七時に出社している。病気にならないか心配」などである。(連合通信)


この記事を書いた人