来年の春闘、経営側さらに厳しく 経団連最終案「ベア協議の余地なし」と一蹴

SankeiBiz 2012.12.20 08:58
 
   平成25年の春闘で経営側の指針になる経団連の「経営労働政策委員会報告」の最終案が明らかになった。

 企業の経営環境は「悪化の一途」と強調し賃金交渉のうちベースアップ(ベア)を「協議する余地はない」と一蹴。労働側が労使間で確認済みとしている定期昇給(定昇)にも「時期の延期や凍結について協議せざるを得ない場合もあり得る。聖域にすべきでない」と厳しい姿勢を示した。

 同日午前の経労委に諮り、1月下旬に発表する。

 労働側も同日、東京都内のホテルで中央執行委員会を開き春闘の最終方針を決定し、今春闘が事実上スタートする。

 「労使一体となって危機に立ち向かう」と副題がついた経労委報告最終案は、円高による産業空洞化の進行や電力不足などで経営環境は「一年前に比べさらに悪化」と主張。今春闘は「企業の存続と従業員の雇用の維持・安定を最優先する」とした
 
  昨年の報告書では定昇の「延期・凍結」に言及したが、今年はより踏み込んだ表現となり、定昇に関する記述も倍増している。

 企業業績に変動があった場合は「賞与・一時金で反映させる」と従来の主張を踏襲。労働側が求めている企業内最低賃金の協定化や水準引き上げ要求にも「これまで以上に慎重な対応が求められる」と消極的だ。

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