調理師だった福岡県遠賀町の少年(当時19歳)が自殺したのは、勤務先の飲食店の上司による暴力が原因だったとして、両親が店の運営会社と当時の上司2人に慰謝料など9160万円の支払いを求め、福岡地裁小倉支部(岡田健裁判長)に提訴した損害賠償請求訴訟で、和解が成立していたことがわかった。
会社側が上司の暴力を「行き過ぎた指導」と認め、パワハラ行為を事実上認めた。成立は21日付。
原告側弁護士によると、主な和解内容は〈1〉上司2人は事実関係を認めて「行き過ぎた行為」を謝罪〈2〉同社は再発防止策を図る――など。和解金額は明らかにしていない。
訴状などによると、少年は2008年4月、レストランなどを運営する「グラノ24K」(福岡県岡垣町手野)に入社。岡垣町内の店で勤務していた翌年8月、自宅で自殺した。両親は前年9月頃からあざを作って帰宅するようになり、上司から大型のしゃもじで殴られたなどとして、09年に提訴。少年の自殺を巡っては北九州西労働基準監督署が10年10月、自殺は勤務先の上司の暴力やいじめなどが原因と労災認定していた。