政府の産業競争力会議や規制改革会議で議論されている解雇ルールの見直しが限定的なものにとどまりそうだ。安倍晋三首相が「解雇を自由化していく考えはない」(3月28日の衆院予算委員会)と発言したのに続き、甘利明経済再生担当相も8日、「金銭を使って解雇を容易にすることは考えていない」と強調。ルール見直しに慎重な厚生労働省内では安堵(あんど)感が広がっている。
「厚労省は労働者を守る役所だ。経営者側に偏ったルールを作るわけにはいかない」(同省幹部)。3月半ばの産業競争力会議で民間議員は「再就職支援金の支払いとセットでの解雇」「解雇人数分の半分以上を20〜40代の外部から採用」といった解雇ルールの見直しを提案。厚労省は抜本改革の動きに警戒感を強めていた。