時事ドットコム 2013/06/21
厚生労働省は21日、仕事上のストレスでうつ病などの精神疾患を発症し、労災認定された人が2012年度は475人と前年度より46%増え、3年連続で過去最多を更新したと発表した。精神疾患の労災認定基準を11年12月に改め、労災に当たる事例を明確にしたことが影響した。
精神疾患での労災申請は1257人と同15人減少したものの、過去2番目の高水準だった。
厚労省は新基準で労災と認めるケースを具体的に例示。「発症直前の3カ月間に月当たり100時間以上の残業」、「上司による人格や人間性を否定する執拗(しつよう)な言動」、「胸や腰などへの身体接触を含む継続的なセクハラ」といった理由で精神疾患に陥った場合は、労災認定すると明確化した。従来の基準は、抽象的な内容が多く、担当者の裁量の余地が大きかった。
認定された人の発症原因は、「仕事内容・量の大きな変化」が59人(前年度52人)と最も多く、「嫌がらせ、いじめ、暴行」が55人(同40人)で続いた。また、「上司とのトラブル」は35人(同16人)、「セクハラ」は24人(同6人)だった。
年齢別では、30代が149人で最も多く、40代146人、20代103人が続いた。また、認定された人のうち自殺者・未遂者は93人と、07年度の81人を超えて過去最多だった。