厚生労働省が4日発表した2012年度雇用均等基本調査によると、育児休業取得率は男女ともに減少し、男性は1.89%で前年度を0.74ポイント下回った。女性は83.6%で同4.2ポイント低下した。同省は、11年3月の東日本大震災による経済、雇用状況の悪化で、小規模事業所や有期契約の非正規雇用で働く人を中心に、育休を取らずに働き続ける人が増えたためと分析している。
調査は全国の正社員5人以上の事業所5862社(回答率71%)を対象に実施。
安倍政権は成長戦略で「女性の活躍」を掲げており、その実現には1ケタ台で低迷する男性の育休取得率をアップさせ、夫婦での子育て推進が欠かせないとされる。しかし11年度に初めて2%台にのせた取得率は、1%台に逆戻りした。
女性の育休取得率は、08年秋のリーマン・ショックによる景気後退で、取得率が下がった10年度調査の83.7%並みに低下した。
女性の育休取得率を規模別でみると、社員30人以上の事業所では90%に達しているが、29人以下では73.4%で、前年度より9.9ポイント低下した。雇用形態別では有期の非正規労働者では前年度比9.3ポイント減の71.4%だった。
成長戦略では「育休3年」の取得も呼びかけているが、女性の育休期間は10カ月〜12カ月未満が最も多く33.8%、3年以上取った女性の割合は0.7%だった。男性の育休期間は5日未満が最も多く41.3%。7割以上の男性が1カ月未満だった。【山崎友記子】