朝日新聞 2013年11月12日
写真・図版リコー社員が「追い出し部屋」への異動撤回を求めた裁判で、原告勝訴の判決を報道陣に知らせる東京管理職ユニオンの鈴木剛書記長=東京都千代田区の東京地裁
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【小松隆次郎】追い出す目的で子会社に出向させられ、畑違いの業務を命じられたとして、事務機器大手リコー(東京)の社員2人が出向命令の無効を訴えた裁判で、東京地裁は12日、出向先で働く義務がないことを確認する、原告勝訴の判決を言い渡した。篠原絵理裁判官は、出向命令は社員の自主退職を期待して行われたと認め、「人事権の乱用で無効」と判断した。
リコーは即日控訴した。判決によると、2人(40代と50代)はともに男性で技術系社員として採用され、研究開発などに携わってきた。リコーが2011年7月、リストラ策で希望退職を募った際、2人は上司から応募を求められ、拒むと、同年9月に出向を命じられた。2人とも子会社で、製品のラベル貼りや箱詰めなどをしている(後略)。