ILO:日航の整理解雇問題で勧告

毎日新聞 2013年11月20日 20時33分

 ILO(国際労働機関)理事会は、日本航空の乗員やキャビンアテンダント165人の整理解雇問題で日本政府に対する第2次勧告を採択した。ILOに申し立てをした日本航空乗員組合などが20日、東京都内で記者会見して明らかにした。日航の整理解雇の問題は現在、東京高裁で係争中。勧告では、組合と会社がきちんと協議するよう求めている。

 経営破綻した日航は2010年12月、整理解雇を実施。ILO理事会は12年6月に、整理解雇がILO条約に抵触するとして、整理解雇を巡る労組と会社の協議を保障するよう日本政府に求める勧告を採択した。今回の2次勧告は、日航が12年に客室乗務員940人を新たに採用していることに注目し、それを踏まえた協議を求めた。ILOに詳しい牛久保秀樹弁護士は「整理解雇後に新たな採用をする場合は、解雇された者を優先して再雇用するのは世界の常識。ILOは日航の整理解雇を重大な監視対象としている」と話している。【東海林智】

この記事を書いた人