毎日新聞 2014年03月27日
大手居酒屋チェーン「和民」で働いていた森美菜さん(当時26歳)が入社2カ月後に過労自殺した問題で、遺族が経営会社や親会社の「ワタミ」、当時ワタミ社長だった渡辺美樹参院議員などを相手取り、約1億5300万円の損害賠償を求めた訴訟の第2回口頭弁論が東京地裁であった。渡辺氏が出廷して意見陳述し「道義的責任を重く受け止める」と謝罪したが、法的責任については「司法の判断を仰ぐ」と述べた。
渡辺氏は「ワタミ株式会社と共に心より謝罪申し上げます」などと述べ、遺族に向かって深々と頭を下げた。そのうえで、再発防止や業務見直しに取り組んでいるなどと陳述した。
口頭弁論後、森さんの父豪さん(65)は「本来は第1回で意見陳述すべきだ。あたり前のことをできない会社だと改めて思った。謝罪は方便だと感じた」と話した。
この日、法廷ではワタミ関係者が傍聴席の最前列を埋めるように座ったため、遺族の支援者らが抗議。傍聴者が座り直すなど騒然とした雰囲気となった。【東海林智】