安倍政権は国会会期を無理矢理延長して、戦争法案を強行しようとしています。
「集団自衛権の行使」を認めてアメリカの戦争に参加する道を開くこの法案は、憲法前文や9条を乱暴に踏みにじる「違憲」法案です。そのことはこれまでの国会審議、憲法学者の批判、元内閣法制局長官の見解などによって、いよいよ明らかになっています。
全国各地で戦争法案に対する反対運動が沸き起こっています。反対集会への女性の参加が目立ちます。若者が戦争法案阻止のデモに参加しています。「安全保障関連法案に反対する学者の会」が呼びかけたアピールには、6月23日現在、6400人超の学者・研究者、9000人超の市民から賛同が寄せられています。
学者の会がいうように、法案は、?日本が攻撃を受けていなくても他国が攻撃を受けて、政府が「存立危機事態」と判断すれば武力行使を可能にし、?米軍等が行う戦争に、世界のどこへでも日本の自衛隊が出て行き、戦闘現場近くで「協力支援活動」をする、?米軍等の「武器等防護」という理由で、平時から同盟軍として自衛隊が活動し、任務遂行のための武器使用を認めるものです。こういう危険な戦争法案の強行を許してはなりません。
自民・公明両党は、通常国会の会期末直前の6月22日、戦後最長の95日の会期延長を強行しました。この延長には戦争法案をなんとしても強行しようという狙いだけでなく、労働者派遣法の改悪と「高度プロフェッショナル労働制」の創設をこの機に乗じてごり押しする狙いもあります。
労働者派遣法改悪法案は、6月19日、衆議院厚生労働委員会につづき本会議で強行採決され、参議院に送付されました。この改悪が成立すると、企業は人を入れ替えさえすれば同一事業所で業務内容に関係なく派遣労働者を受け入れ、派遣使用期間をいくらでも延長できるようになります。このことは、企業にとっては常用代替の制限がなくなり業務に関係なく常用労働者を派遣労働者に置き換えることが可能になり、労働者にとっては転々と企業を変え生涯派遣で働かされることになり、いままで以上に細切れ雇用の転々労働者になる恐れがあります。
「高プロ制」は、第一次安倍政権のもとで見送りになったホワイトカラー・エグゼンプションの焼き直しにほかなりません。法案はさしあたり年収と業務を限定していますが、結局は労働基準法の根幹をなす1週40時間、1日8時間の労働時間規制を外し、労働時間という概念も残業という概念もなくして、残業ただ働きの定額無制限労働を可能にするものです。
派遣法改悪案も高プロ法案も、労働者の権利と保護を剥ぎ取る点で戦前回帰の法案です。
わたしたちは本日のNPO法人働き方ASU-NET総会の名において、こうした戦前回帰の戦争法案と労働法改悪案に断固として反対します。また、全国の労働団体や市民団体と連帯してこれらの法案を粉砕するためのさまざまな行動に参加することを表明します。
2015年6月23日
NPO法人働き方ASU-NET 第3回総会