共同通信 2015年07月02日
東京労働局は2日、全国展開する靴の販売店「ABCマート」が、従業員に違法な長時間労働をさせたとして、労働基準法違反の疑いで、運営会社「エービーシー・マート」(東京都渋谷区)の役員ら3人と法人としての同社を書類送検した。
いわゆるブラック企業の対策として4月に東京、大阪両労働局にできた過重労働撲滅特別対策班による初めての書類送検。 エービーシー・マートは「誠に遺憾。再発防止のため万全の措置を講じており、全店舗でこのような問題が生じない体制を確立している」とのコメントを発表した。
送検された3人は、男性取締役(51)と東京・池袋の店舗の男性店長(29)、原宿店の男性店長(34)。
送検容疑は昨年4月から5月にかけての約1カ月間、池袋と原宿の店舗で働く従業員2人ずつに対し、労基法で定められた上限を超える時間外労働をさせた疑い。4人の時間外労働は97〜112時間に及んでいた。
同社ホームページによると、店舗は今年5月末現在で国内に807あり、海外には韓国、台湾、米国に計193あるという。従業員は計7566人で、うち4235人がアルバイト。東証1部に上場し、今年2月期の連結売上高は2135億8400万円。
過重労働撲滅特別対策班は、厚労省による働き過ぎ防止策の一環として設置された。複数の事業所が関係するケースや、労働時間の記録がなく指導が困難なケースに専従で当たる。