SankeiBiz 2016.5.27
http://www.sankeibiz.jp/business/news/160527/bsk1605270500003-n1.htm
最低賃金として時給15ドルへの引き上げを求める抗議行動への参加者=25日、米シカゴ(AP)省略
米マクドナルドは3四半期連続で売上高を伸ばして投資家を気分良くさせたが、年次株主総会を控え、いまだ労働者の賃上げ要求に直面している。
サービス従業員国際労働組合(SEIU)の後援を受けた主催者によると、26日のマクドナルド株主総会に先立ち毎年行っている賃上げ抗議行動の拡大を計画。イリノイ州オークブルックの本社前にテントを設営、キッチンスタッフやレジ係など数百人が現地時間25日夜(日本時間26日)から泊まり込んでいる。
全米でファストフードや在宅ケア、育児サービスに従事する合計1万人もの労働者が株主総会に抗議の意思を表明する。
賃上げ支持者は最低賃金として時給15ドル(約1650円)を求めており、既にカリフォルニア州とニューヨーク州では、数年以内に同水準への賃上げが実施されることになっている。
抗議デモの計画についてマクドナルドの広報担当者、リサ・マコーム氏は、「コミュニティーの強化を支援するわれわれの役割を真剣に捉えている。わが社とフランチャイズ店はそれぞれ非常に多くの人々を雇用し、初めてとなる職を提供している」と述べた。
消費者はマクドナルドに満足しているかもしれないが、労働者や組合の代表者は4年に及ぶ賃上げキャンペーンを続けている。昨年、同社は米国内の直営店での賃金を地域の最低賃金を少なくとも1ドル上回る水準に引き上げた。だが、これらは米国内で約90%を占めるフランチャイズ店には適用されない。
米労働統計局によると、外食産業に従事する労働者の時給の中央値は9.09ドル。年換算では1万8910ドルだが、労働時間が週40時間に満たない多くの労働者の年収はこの金額に達していない。(ブルームバーグ Leslie Patton)