ブラックバイト:学生の6割、トラブル経験…初の実態調査

http://mainichi.jp/select/news/20151110k0000m040072000c.html?fm=mnm
毎日新聞 2015年11月10

大学生が経験したアルバイトを巡るトラブル

大学生が経験したアルバイトを巡るトラブル
 
 学生アルバイトに関して1000人を対象に実施した厚生労働省の調査で、6割は賃金などの労働条件でトラブルになった経験を持っていることが分かった。残業代不払いや勤務シフト強制など「ブラックバイト」の横行が指摘される中、厚労省の初調査で一端が浮かんだ。厚労省は学生に対する労働法セミナーや出張相談など対策に乗り出す。

 調査は、18〜25歳の大学生、大学院生、短大生、専門学校生で週1日以上のアルバイトを3カ月以上続けた人を対象にインターネットを通じて実施し、1000人から回答を得た。職種はコンビニエンスストア(15.5%)や学習塾(14.5%)が多かった。

 労働条件について、60.5%が何らかのトラブルを経験していた。具体的(複数回答)には、労働基準法違反の疑いが強い「準備や片付けの時間の賃金が支払われない」(13.6%)、「労働時間が1日6時間を超えても休憩がない」(8.8%)などが挙がった。

 学業への影響が大きいシフトに関しては、「採用時に合意した以上のシフトに入れられた」(14.8%)、「一方的で急なシフトの変更」(14.6%)との回答があった。

 高校生や大学生の労働組合を支援する首都圏青年ユニオンの神部紅(じんぶあかい)委員長は「違法なことも会社のルールだと思わされて働く若者が多いので、実態はその数字以上だと思う。若者への雇用ルールの教育とともに、使用者側も法律を守るような指導が必要だ」と話している。【東海林智】

 ◇時間切り捨て、独自ルール横行

 調査で賃金に関するトラブルでは「準備や片付けの時間に賃金が支払われなかった」との回答が目立った。制服に着替える時間や、仕事を終えた後の引き継ぎを作成する時間がカウントされない例が実際にある。

 東京都内在住で個別指導の学習塾でアルバイトをする男子大学生(21)は90分1コマで授業をしているが、授業の準備に最低15分、終わった後の報告書作りなどに1時間近くかかっているという。「それなのに時給の半分にも満たない手当でごまかされている」と憤る。個別指導学習塾に関しては、学生らの相談を受けたブラックバイトユニオンが不払いなどの改善に取り組んでいる。

 労基法で賃金は1分からカウントしなければならないが、15分や30分以内の労働時間は切り捨てると独自ルールを強調し賃金を支払わない例も目立つ。

 都内のコンビニエンスストアで週3〜4回働く女子高校生は、15分に満たない労働分の賃金を切り捨てにされてきた。しかし、15分ぎりぎりまで働かせるやり方に疑問を抱き、労働組合に相談した。労組は団体交渉を行って1分からの支払いに合意した。【東海林智】

 ◇大学生が経験したアルバイトを巡るトラブル◇

【勤務シフト】

採用時に合意した以上のシフトを入れられた 14.8%

一方的に急なシフト変更を命じられた  14.6%

採用時に合意した以外の仕事をさせられた 13.4%

【賃 金】

準備や片付けの時間に賃金が払われない 13.6%

給与明細書がもらえない         8.3%

実際に働いた時間が管理されていない

(タイムカード打刻後に働かされるなど)  7.6%

時間外や休日出勤の割増賃金が払われない  5.4%

時間外分の賃金が払われない       5.3%

【その他】

1日6時間以上働いても休憩時間がない  8.8%

退職を申し出ても退職させてくれない   3.2%

暴力や嫌がらせを受けた         2.8%

※複数回答

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