毎日放送 映像’07「過労死」がギャラクシー優秀賞

6月3日、この1年間の特に優れた放送番組に贈られる放送批評懇談会のギャラクシー賞の授賞式があり、毎日放送のドキュメンタリー番組「映像’07 夫はなぜ死んだのか――過労死認定の厚い壁」がテレビ部門の優秀賞に選ばれました。これはトヨタ自動車の堤工場(愛知県豊田市)で残業中に倒れた夫の内野健一さん(当時30歳)の過労死認定を求めて、豊田労働基準監督署長を相手に訴訟を起こして勝利した内野博子さんのたたかいに取材した番組でした。

この裁判の判決は、QCサークル活動(労働者の「自主活動」の名のもとに行われる品質管理と能率向上のための職場の小集団活動)を業務と認めて注目されました。判決が出たのは昨年11月30日でしたが、番組は12月9日に放送されました。これからもわかるように、制作は判決のかなり前から進められ、途中で勝利の日を迎えたという点でひときわ感動的でした。森岡もあまりぱっとしないコメントでちょっと出てきます。それは余談として、この優れたドキュメンタリー番組を担当した奥田雅治ディレクターと制作スタッフの方々に拍手を贈ります。

なお、テレビ部門の他の二つの優秀賞は、NHKスペシャル「鬼太郎が見た玉砕〜水木しげるの戦争」(日本放送協会 2007年8月12日放送) と「揺さぶられる歴史〜教科書検定をめぐって」(琉球放送 2007年12月28日放送)でした。また、大賞は「裁判長のお弁当」(東海テレビ放送 2007年4月14日放送)でした。(森岡孝二)

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