人材派遣大手の「新日本」(本社・大阪市北区)が、事業所設立に関する国への届け出を怠り、無許可で派遣業を行ったとして、大阪労働局は17日、労働者派遣法に基づく業務改善命令を出す方針を固めた。厚生労働省によると、違法派遣をめぐり人材派遣会社が国の行政処分を受けるのは異例。
関係者によると、同社は滋賀県内で事業所を設立した際、国への届け出を怠り、無許可で事業を継続。これまでに2回、国の是正指導を受けたが、改善しなかったという。大阪労働局は、再三の指導に従わず、違法状態を放置した同社の体質が悪質と判断し、処分することを決めた。
業務改善命令は、違法行為が発覚した場合、事業主に再発防止を求める行政処分の一つ。期限内に改善がみられなければ、事業停止や登録取り消しの処分を受けることもある。
新日本をめぐっては、従業員への残業代を支払っていなかったとして昨年11月、大阪労働局が本社などを家宅捜索した。