就職情報会社「マイナビ」(東京都千代田区)が26日、14年卒業予定の大学生を対象にした就職活動の動向を発表した。昨年12月に企業の採用活動がスタートして約3カ月、同社は序盤のキーワードを「温度差就活」とし、就活への取り組み時期や、地域、学校・学部などさまざまな分野で温度差が広がっていると分析した。
マイナビの調査によると、2月上旬までに主要就職サイトでエントリーを受け付けている企業は、前年比113.9%と増加。またセミナー情報の掲載も同120.6%で、開催日程数も12月で同175.6%となり、セミナーの早期開始傾向が高まっている。
こうした企業の動向を受けて、1月の調査では、個別企業のセミナーに参加予定もしくは参加した学生はともに80%を超えるなど、企業の早期実施に伴い、学生の活動も前倒しされ活発化している傾向がうかがえる。さらに学生の調査から、「先輩と比較して就職環境が厳しくなる」と予測している学生が前年比で24.1ポイントも減少。「内定を取る自信」も男子学生を中心に増加傾向がみられる。こうしたことから、同社は学生の就職への危機意識が薄らぐ一方で、就活のスピードについていけない者も出始めていると分析し、結果的に就活の準備ができている学生とそうでない学生の差が広がっているとしている。
さらにセミナー実施会場が都市部に集まるため、地方の就活生には交通費や宿泊費の負担が重くなる実情も浮き彫りになった。関東とその他の地域の学生の1月の活動状況(交通費と宿泊費)を調べると、関東の学生が1万5283円だったのに対して、その他の地域の学生は2万7010円となり、2倍近い開きがあった。
またインターンシップへの参加割合では、関西国公立の学生が46.7%、関東国公立40.7%、関東私大31.7%、その他の私大29.4%などとなっており、「学校間の職業体験の機会の差が今後の活動状況にも影響するのでは」と予測している。