日本商工会議所の岡村正会頭は1日の会見で安倍晋三首相をはじめ、麻生太郎財務相など各方面から相次ぐ賃上げ要請について「いまは賞与を上げるのが精いっぱいだ」と反論した。
中小企業の労働分配率は80%台に張り付いているとして「これ以上上げるのは不可能だ」と強調。「販路の開拓を積極的にやり、生産性を向上させて(分配率が)上がる余地をつくることだ」と指摘し、ベースアップや定期昇給などの賃上げは「本格的な成長路線に戻ったことが実感できてからで、(いまは)慎重にならざるを得ない」と語った。
韓国の民間団体が竹島問題で日本製品の不買運動を始めたことには「残念でしかたがない。領土問題も含め日韓関係改善に向けて冷静に話し合う状況が望まれるなか、火に油を注ぐようなものだ」と懸念。「最小限で治まるよう早く鎮火をお願いしたい」と要望した。
税と社会保障の共通番号を新設するマイナンバー法案が同日閣議決定されたことには「消費税増税のバリアーがとり除かれた」と歓迎。国会に提示された次期日銀総裁人事案には「適切だ」と賛意を示した。