ただ叱責するだけのモンスター上司と、厳しい言葉をかけるも「指導」を怠らない愛のムチ上司。あなたの上司はどっちのタイプかな? イラスト/日辻彩
「どんな上司の下で働くことになるんだろう…」。4月からの社会人生活を控え、不安な新入社員も多いのでは。みなさんを指導する上司や先輩の中には、厳しい人もいるはず。「これって、愛のムチ? それともモンスター上司のパワハラ?」なんて疑問を持ってしまうこともあるかも。果たして両者の違いはどこにあるのか?
「残念ながら明確な基準はないですね。パワハラは、取り締まる法律がなく、白黒つけにくい問題です」
とは、社団法人日本産業カウンセラー協会こころの耳運営事務局事務局長の石見忠士さん。
「ただ厚生労働省が“職場におけるパワハラの具体的な行為”を発表しています。その中で主なポイントは、暴行などを指す“身体的な攻撃”、暴言などの“精神的な攻撃”、無視などの“人間関係からの切り離し”の3つ。これらの行為に該当するかどうかが、判断の基準になりますね」
とはいえ部下の成長を願い、愛のムチとして、厳しい言葉で叱責することもあるだろう。“精神的な攻撃”は判断が難しいような…。
「そんなときは、“指導後のフォローアップがあるかないか”が、ひとつの参考になります。また、先輩や別部署の上司にどう思うか聞いてみるのもよいでしょう。上司の性格や評判を知ることで、疑問を解消できることもあります」
“ムチ”をふるいっぱなしならパワハラ…。もちろん言い切れるわけではないが、判断材料としてはわかりやすい! ちなみに厚労省が行ったアンケートによると、パワハラの相談がある職場に最も多く共通する特徴は、「上司と部下のコミュニケーションが少ない」こと。相手を知らないからこそ、生まれる誤解も多そうだ。愛のムチかパワハラかを見極めるためにも、まずは積極的なコミュニケーションが必要。就活でうんざりするほど耳にした「コミュニケーション能力」は、やはり職場では欠かせないのだ。
(田中恵里菜/GRINGO&CO.)
(R25編集部)