今春、東京大に入学した新入学部生の6割が、就職活動に不安を感じていることが東京大学新聞のアンケートで分かった。科類ごとでは文科3類の7割が「不安」と回答。受験競争を勝ち抜いた新入生も、近年の就活の厳しさから「東大だから就職には困らない」と楽観してはいないようだ。
アンケートは、在学生でつくる公益財団法人「東京大学新聞社」が全新入生を対象に1988年度から実施。今年度は4月1、2日の入学手続き時に3153人にマークシート形式で聞き、3055人(97%)から回答を得た。質問は、受験に関する内容のほか、今後の学生生活、大学卒業後の進路などが中心で、就職活動に対する受け止めを今回初めて質問した。
「就活に不安を感じるか」と聞いたところ、16%が「とても不安」と答え、42%が「やや不安」と回答し、合わせて58%の新入生が「不安」と感じていた。文科3類はいずれかの回答を選んだ新入生が69%を占めた。一方、全新入生中「あまり不安でない」は23%、「まったく不安でない」は8%だった。
今後の就活の見通しについては、35%が「厳しくなる」。3割は「やや厳しくなるが、他大学よりも有利」と答えた。
アンケートを担当した工学部4年の藤田和志(かずゆき)さん(21)は「大学生の就職状況が厳しいとされる中、初めて質問してみた。やはり就活に厳しいイメージを抱いている新入生が多く、東大への入学と就職が直結すると考えている新入生は少ないのだろう」と分析している。【水戸健一】