東電社員が東電提訴 原発事故の精神、財物賠償求める

福島民友新聞 3月25日(火)

 大熊町に住んでいた東京電力社員男性が東電福島第1原発事故に伴う慰謝料、財物損害など約765万円の損害賠償を同社に求める訴訟を福島地裁に起こしたことが24日、分かった。提訴は4日付。第1回口頭弁論は4月15日午前11時から。

 訴状によると、男性は1994(平成6)年に同社に入社。同町に住んでいたが、休暇で仙台市の実家に帰省していたところ原発事故が発生した。現在は福島市に避難している。男性は2011年3月11日から今年2月末までの月額10万円の精神的損害賠償計360万円と、東電が定める帰還困難区域の単身者世帯への財物損害325万の賠償、一時帰宅費用などを求めている。

 男性は東電に直接請求したり、原子力損害賠償紛争解決センターへ和解仲介を申し立てるなどして損害賠償を求めてきた。東電は今年1月ごろ、同センターの提示した和解案を拒否して応じず、男性は提訴に踏み切った。

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