過労死問題と「ブラック企業」に関する講演などが行われた「考えるつどい」=11日午後、京都市中京区
過重労働により心身が病んで死に至る過労死・過労自殺を防ごうと「みんなで過労死を考えるつどい」が11日、京都市中京区の京都アスニーで開かれた。労働相談に取り組む学生らでつくるNPO法人「POSSE(ポッセ)」の今野晴貴(はるき)代表(30)が、人使いの荒い会社を意味するブラック企業の実態について講演し、「過労死防止基本法の制定が必要だ」と訴えた。
採用直後から長時間労働が続いたり、パワーハラスメントが常態化したりするブラック企業は、過労死・過労自殺の温床とされる。
今野代表はブラック企業の人使いについて、従順で能率の高い新卒社員だけを選び、残りを心の病に追い込んで退職させる「選別型」や、残業代を基本給に組み込むなどして低賃金で長時間労働を強いる「使い捨て型」が多いと指摘。「必ずしも違法ではないところにこの問題の難しさがある」と述べた。