安藤選手、他人事じゃない 産みにくい世…悩む女性たち

朝日新聞 2013年7月31日

安藤美姫選手の出産公表に我が身を重ね、悩む女性たちがいる。子どもはほしい。でも、とてもじゃないけど安心して産めません。

安藤選手のフェイスブックに先月初め、「管理人」のコメントが投稿された。「目に余る表現・内容のコメントは予告なく削除することがあります」。だが今も「出産した、結婚してない、まともな大人がすることじゃない」といった非難の書き込みが残る。

週刊文春は先月、公式サイトで「まだ結婚しておらず、父親が誰かも明かさないことへの疑問や、子育ても競技も中途半端になるのではないかなどの批判」があるとして「安藤選手の出産を支持しますか?」とアンケートを呼びかけたが、抗議が続出して中止に。

女性の人権問題に詳しい伊藤和子弁護士は「こんな集団マタハラがまかり通る社会では女性の活躍はのぞめない」という。マタハラは、マタニティー・ハラスメントの略。妊娠・出産した女性への職場での嫌がらせのこと。解雇や契約打ち切りのほか、上司や同僚からの暴言なども多い。

東京都内の広告デザイナーの女性(41)はこの夏、7年勤めた会社を辞め、友人と独立した。会社ではチームリーダーも務め、自分は必要な戦力だと思っていたが、40歳で妊娠を告げた途端、仕事を次々と外された。社長から「僕が旦那なら妻に働かれるのはいや。家にいろよ」といわれた。

今年4月に育休から復帰すると異動を命じられた。「仕事で頑張ってから産んでも否定される。キャリアを諦めるまでは産むことを認めてもらえないの?」 (以下有料)

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