加速する若者の物流業界離れ 賃金低下が要因?

物流weekly 2013.09.24

 トラックドライバーのうち、ベテランドライバーが占める割合が増加してきている。少子高齢化に加えて、中型免許制度の影響が出ているともいう。しかし、若手ドライバーの賃金が下がってきていることも、その背景にあるのではなかろうか。

 運輸労連のアンケートによると、「10年以上在籍しているドライバー」は平成24年で47.7%を占めている。それに対して、「在職年数が3年未満のドライバー」は20.1%。同20年では、「10年以上」が43.6%で、「3年未満」が24.4%と、少しずつ若者が減少しているということがわかる。

 厚労省の「賃金構造基本統計調査」(同24年)によると、20歳から24歳(男性)の「運輸業・郵便業」の賃金は19万6500円。産業別で一番高いのは「情報通信業」の21万5100円。12に分類されている産業別で、「運輸業・郵便業」は「製造業」と並んで8番目という低い水準となっている。

 しかし、この水準は以前から低いレベルではなかった。同9年では「運輸・通信業」(20〜24歳男性)の賃金は21万8400円。九つに分類されている産業別のカテゴリーの中でも、「不動産業」(22万1200円)に次いで、2番目の高い水準となっている。

 ところが同21年では19万9400円(12業種中6番目)となり、同22年が20万5500円(同5番目)、同23年が20万2900円(同7番目)、同24年では8番目と徐々に順位を下げた。

 もちろん、若手の給与だけが減少しているわけではない。適正運賃を収受できなければ話にならず、同8年に34万4536円だった業界の給与総額が、同23年には30万213円に減少した。

 産業能率大学が発表した「同25年度新入社員の会社生活調査」では、「就職先を選ぶ際に重視した項目については、仕事内容がもっとも高く70.9%、業種(62.7%)、企業風土(36.4%)、所在地(35.8%)」と続いているが、「ホンネ」の部分である「給与額」にも、もっと注目すべきとの声もあるようだ。

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