SankeiBiz 2013.10.23
地方自治体職員らでつくる全日本自治体労働者共済生活協同組合(自治労共済)で、自動車共済をめぐる不正な契約があったと厚生労働省に通報して解雇されたのは不当として、自治労共済島根県支部の元職員、田中純一さん(61)が地位確認などを求めた訴訟の控訴審判決で、広島高裁松江支部は23日、解雇を無効とした1審松江地裁判決を取り消し、「解雇は正当」として田中さんの請求を退けた。
塚本伊平裁判長は、田中さんが職場のパソコンから無断で情報を得たことについて「自動車共済をめぐる問題は解決しており、情報を不正に取得する必要はなかった」と指摘。そのうえで解雇したことは「合理的で正当」などとした。
平成23年2月の1審判決は、解雇を無効と認定、県支部に未払い賃金の支払いを命じた。1審判決などによると、田中さんは平成20年10月、自治労共済で不正な契約が行われていることなどを厚労省に通報、21年8月に「内部情報の不正取得」を理由に解雇された。
田中さんの代理人は「公益通報者保護法の趣旨が理解されていない。上告したい」。県支部は「われわれの主張が理解された。内部のことで、これ以上のコメントは控えたい」とした。