2013年10月28 読売新聞
厚生労働省は、育児休業中の所得を補う「育児休業給付」について、休業前賃金の50%を支給している現在の制度を、最初の半年間は67%に引き上げる方向で調整に入った。
所得補償を拡大することで、夫婦ともに育休を取りやすくし、子育てを支援するのが狙いだ。29日に開く労働政策審議会の部会に、給付率引き上げの案を示す。
厚労省は、2014年の通常国会に雇用保険法改正案を提出し、同年秋にも新制度を始めたい考えだ。
厚労省によると、12年度の育休取得率は、女性の83・6%に対し、男性は1・89%と低迷している。現在の育休給付制度では、夫が育休に入れば収入が半減して家計には痛手となる。田村厚生労働相は今年7月の記者会見で、「男性の育休取得が低いのは、給付が低いのも一つの理由と推測できる」と述べ、給付率引き上げに意欲を示していた。
休業前賃金の3分の2にあたる67%への引き上げは、1日あたり日給の3分の2が支給される出産手当金に水準を合わせたものだ。
夫婦がともに育休を取得すれば、原則1歳までの支給期間が2か月延長される。新制度では、延長期間まで共働き夫婦が給付を受けようとする場合、妻が出産手当金の支給期間(産後8週間まで)に続いて育休に入り、給付率が50%に下がる産後8か月のタイミングで夫が育休に入れば、夫婦2人で1年間にわたり、育休中の夫か妻の給付が67%支給され続ける。
妻だけが育休を取る場合は、夫婦が交代して育休を取るケースと比べ、給付は少なくなる。