毎日新聞 2013年11月07日
教職員に君が代の起立斉唱を義務づける大阪市の条例を巡り、大阪府労働委員会(府労委)は7日、労働組合が求めた団体交渉に市が応じなかったのは、労働組合法が禁じる不当労働行為に当たると認定し、交渉に応じるよう市に命令した。橋下徹市長就任後、府労委が市の不当労働行為を認定するのは3件目だ。
命令などによると、大阪市立小中学校の非常勤職員らが加盟する「大阪教育合同労働組合」は2012年3月、君が代の起立斉唱を強制しないよう要求するため団交を申し入れたが、市は地方公務員法で交渉が禁じられている「管理運営事項」に当たるとして拒否していた。しかし府労委は、組合の要求内容が、組合員の労働条件の問題を含む「義務的団交事項」であると認定。市の団交拒否に正当な理由がないと判断した。
命令に対し橋下市長は市役所で記者団に、「今回の件が交渉事項なのかどうか法的に確認していきたい」と述べた。
府労委は今年3月、市が全職員を対象に実施した政治・組合活動に関するアンケートを、不当労働行為に当たると認定した。さらに9月には、市庁舎からの事務所退去を職員労働組合に求めた問題を巡り、市が組合との団交を拒否したのは不当労働行為に当たると認定した。市はいずれも中央労働委員会に再審査を申し立てている。【野口武則】