毎日新聞 2014年01月30日
トヨタ自動車労働組合(組合員約6万3000人)は30日、2014年春闘で賃金のベースアップ(ベア)に相当する「賃金改善分」について、月給の約1.1%にあたる4000円(組合員平均)を要求する執行部案を組合員に提示した。ベア要求は09年以来5年ぶり。実現すれば6年ぶりになる。2月6日に正式決定し、同12日に経営側に提出する。
年間一時金(ボーナス)は月給の6.8カ月分にあたる約244万円(組合員平均、定期昇給・ベア反映後)を求めると提示した。昨年は205万円を要求し、満額回答だった。
愛知県豊田市で記者会見した鶴岡光行委員長は「経済環境を吟味し、組合員の働きぶりを考えた。個人消費の拡大につなげたい」と説明した。ただ、「ベアの労使交渉は厳しくなるだろう」との見方も示した。トヨタの業績は円安などを背景に急回復しており、豊田章男社長は「業績が回復すれば従業員に還元するのは当然」と述べているが、ベアについては言及していない。【森有正】