SankeiBiz 2014.5.8
居酒屋チェーン大手のワタミは8日、転勤を伴わない「エリア限定社員」を6月から本格導入し、アルバイトからの登用や中途採用で100人を確保する計画を発表した。景気回復を背景に外食業界などは一部で採用難が深刻化しており、同社は今春の新入社員数が120人と、計画の半分にとどまっていた。
同社は従来もエリア限定社員制度があったものの、賞与がないなどメリットが小さく、登用数は10人程度に過ぎなかった。6月以降は福利厚生もふくめ正社員並に充実させるほか、副店長以上への昇進も可能にして希望者を募る。
雇用環境がよく問題視される同社だが、労働環境改善に向け、今年度中に全店舗の約1割に当たる60店の閉鎖を決定。桑原豊社長は同日の決算会見で「今後は新規出店を抑え、1店当たりの収益力を強める」と述べた。
ワタミの2014年3月連結決算は、居酒屋事業や宅食サービスの不振に加え、店舗閉鎖による特別損失を計上したことで、最終損益は49億円と赤字となり、1996年の上場以来初めて赤字転落した。