<既卒就活>「諦めないで」 企業、大学の支援広がる

毎日新聞 5月16日(金)13時14分配信

就職支援会社「ブラッシュアップ・ジャパン」が主催する「既卒就活生」向けセミナーに参加する若者たち=東京都新宿区で、藤沢美由紀撮影

 今春卒業した大学生の就職率は、景気回復などの影響で3年連続で改善した。多くの大卒者が職に就く一方で、就職先を見つけられないまま卒業した学生も2万2000人余りいると推計される。最近は、この「既卒就活生」支援の動きが就職関連会社や大学で広がっており、厳しい状況を乗り越えた経験者らも「諦めないで」とエールを送っている。

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 昨春、千葉県内の私立大を卒業した埼玉県の五十幡海(いがはたかい)さん(23)は卒業後も就職活動を続け、今春、建設関連会社への就職が決まった。五十幡さんは「既卒就活だからこそ自分に合う会社に巡り合えた」と話す。

 大学3年の秋から始めた就活では、有名企業にエントリーし続け、50社ほど挑戦したが内定はゼロ。失意のまま卒業し、コンビニエンスストアで深夜勤務のアルバイトを始めた。来店客と打ち解ける工夫をし、固定客をつかむと客数が1割ほどアップ。接客に自信がつき、営業職を目指すことを決めた。

 今年2月、既卒者向けの就職支援会社「ブラッシュアップ・ジャパン」(東京都新宿区)を知った。同社はエントリーシートの添削や個別の面接指導で既卒者らを支援する。五十幡さんはアドバイスを受け、エントリーシートの記述に客観性を盛り込むなど構成を変えた。さらに、企業の知名度だけにこだわらない就活をしたところ、3社から内定を得た。ブラッシュアップ・ジャパンによると、既卒者を受け入れる企業は増えているという。

 既卒者支援は大学にも広がる。法政大(千代田区)は既卒生専用の求人検索サイトを設置。卒業式後に既卒者向け説明会を実施するほか、個別相談も受け付ける。法政大キャリアセンター市ケ谷事務課のkoyounyu-su栗山豊太(とよた)主任は「(卒業した)4月以降も根気強く支援することで、就職できる卒業生はいる」と話す。【藤沢美由紀】

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