男性「ヒラでいい」、女性「いずれ家庭に」増加

YOMIURI ONLINE 2014年05月21日

 今年度の新入社員に対する意識調査で、「転職せずに定年まで働きたい」「平社員のままでいい」と考える男性が増えていることが、あしぎん総合研究所の調査でわかった。

 働く目的を「収入を得る」とする新人も大幅に増加。就職状況が改善する中でも、保守的な傾向が強いことをうかがわせた。

 調査は、3〜4月に行い、689人から回答を得た。男性の結果をみると、「どのぐらいまで出世したいか」との質問に対し、32%が「課長・店長などリーダー職」と回答。前年度と同様に最多だったが、割合は2ポイント近く減った。「役員以上」も5ポイント減の18%だった。一方、「平社員のままでいい」は3ポイント以上増え、9%だった。

 勤務・転職についての考え方についても、「転職したい」「ぜひ独立したい」が減る反面、「定年まで働きたい」は増え、「細く長く」を望む傾向がある。一方、女性は「いずれは家庭に入りたい」が28%と4ポイント以上増え、女性の活躍を促す政府の方針とのズレがみられた。

 また、複数回答で働く目的を尋ねると、男女とも最多は「収入を得ること」で、全体の76%がこれを選んだ。前年度からは8ポイント近い増加で、「自己の人間性の成長」「社会へ貢献するため」は前年度よりも減少した。

 あしぎん総研は、「景気の高揚感がみられる中での就職活動だったが、不安定な世の中で育った新人は容易に浮かれないのだろう」と指摘している。

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