しんぶん赤旗 2014/06/21
過労死の防止を国の責務と明記した「過労死防止対策推進法」が20日の参院本会議で全会一致で可決、成立しました。過労死という文言を初めて明記し、国の責任で調査研究、過労死防止対策の国会への報告など定めています。
同法の制定を求めてきた過労死防止基本法制定実行委員会と超党派議員連盟が国会内で報告集会を開き、過労死で夫や子どもを亡くした遺族が遺影を持ち寄り出席しました。
同実行委員会の森岡孝二委員長は「過労死防止を国の目標と認めて大きな一歩を踏み出した意義は大きい。実効性のある法律にするためにいっそう努力していく」と話しました。
全国過労死を考える家族の会の寺西笑子代表世話人は「過労死を繰り返さない、大切な家族を亡くした教訓を忘れないでほしいとの思いで運動してきた。過労死のない社会へ新たなスタートを切りたい」と決意を述べました。
息子を亡くした兵庫県の遺族は「この法律があと10年早くできていたら、息子は死ななくてよかったかもしれない。健康的に働ける日本にするために亡き息子と見守っていく」と語りました。
各党の代表とともにあいさつした日本共産党の高橋ちづ子衆院議員は「法律は過労死のない社会をつくる今後の取り組みにつながるもの」と述べました。