http://www.sankeibiz.jp/econome/news/150115/ecd1501151719001-n1.htm
SankeiBiz 2015.1.15
上海市内の「ユニクロ」店舗(省略)
ファッションブランド「ユニクロ」の製品などを製造する中国の2工場について、国際人権NGO「ヒューマンライツ・ナウ」(HRN、東京)などは15日、「長時間の過重労働や危険な労働環境がある」として、ユニクロを展開するファーストリテイリング(山口市)に改善を促すよう勧告したと明らかにした。
HRNは、香港に拠点を置くNGO「SACOM」とともに、中国の大手衣料工場のパシフィック社とルンタイ社について調査。2014年7〜8月には、SACOMの調査員が労働者として工場に潜入した。
さらに、別の調査員が工場近くのレストランや寮、売店などで聞き取り調査を行うなどして、報告書をまとめた。
その結果、夏場には38度を超すエアコンのない室内で、労働者が上半身裸で働く過酷な労働環境が明らかになった。
SACOMの聞き取り調査に、労働者は「あまりの暑さに夏には失神する者もいる」「まるで地獄だ」などと語ったという。工場内は換気も十分でなく、染料などの化学薬品がポリバケツに無造作に入れられていた。
また、パシフィック社には罰金制度が数多くあり、労働者が8分遅刻すると、2時間分の給料が差し引かれることもあったという。「間違えた生地を使ったことによる罰金証明書」などの多数の証明書が存在していた。
2社の基本給はそれぞれ月1550元(約2万9500円)と1310元(約2万4900円)で、工場所在地の最低賃金。労働者は1人あたり1日平均11時間働き、休みは月1〜2日だった。
報告書を受けて、ファーストリテイリングは「指摘された問題点について、早急に是正するよう強く要請するとともに、改善の実現に全面的に協力する」などとするコメントを出した。