労基署長が禁止企業と飲食 福島労働局

http://www.minpo.jp/news/detail/2015030421330
福島民法 2015年3月4日

 福島労働局は3日、国家公務員法で定める守秘義務などに違反し、管内の建設業者と費用を正確に折半せずに複数回にわたり飲食して国家公務員倫理規定にも違反したとして、県内の労基署長を務めていた男性職員(60)を3カ月間の減給10分の1とする懲戒処分にしたと発表した。職員を管理する福島労働局長は文書による厳重注意の処分とした。

 同局によると、男性職員は厚生労働省が飲食を禁止している立ち入り検査対象の企業2社と、昨年7月と同8月に2回にわたり飲食し、国家公務員法に違反した。

 昨年7月には出席した会合の席上で、特定の企業名を挙げて労災防止に関する指導をしたと公言し、同法で定める守秘義務に違反した。同8月には労基署に長時間労働の是正を求める匿名のメールが届いたことと、その内容の一部を当該企業の担当者に伝えていた。

 また、男性職員は昨年4月から同9月にかけ、管内の別々の建設業者と4回にわたり費用を正確に折半せずに飲食した。国家公務員倫理規定では、利害関係者と飲食する際は折半が義務付けられているが、男性職員は4回の飲食で合わせて約3000円不足していた。同局は接待を受けたと判断した。

 昨年10月に同局に寄せられた匿名の手紙で企業との飲食が発覚し、調査の過程で守秘義務違反が明らかになった。男性職員は「飲食が禁止されている企業という認識や、費用負担が少なかった認識はなかった」と話したという。男性職員は体調不良を理由に昨年12月1日付で署長の役職を解かれ、福島労働局付となった。現在も療養中としている。

 同局は2日に開いた緊急の労基署長会議などで法令順守の徹底などを指示。利害関係者と飲食する場合、同局総務課への報告を新たに義務付けた。

 同局の石川悟総務部長、新国誠総務課長、松野正佳総務部企画室長、広谷俊一人事計画官が3日、県庁で会見した。石川部長は「行政の信頼を深く損なう行為で申し訳ない」と謝罪した。

 公表が遅れた理由を「調査が昨年10月から2月と長期間にわたったため」と説明。人事院が示す懲戒処分の公表指針に基づき男性職員を匿名にした。

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