http://www.sankeibiz.jp/macro/news/151026/mca1510262149011-n1.htm
SankeiBiz 2015.10.26
財務省は26日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)を開き、全国の公立小中学校の教職員定数について平成36年度までの9年間で約3万7千人削減する案を示した。少子化に対応し、定数全体の約5%を減らす考え。財務省は国立大学の運営改革案も提示。国が国立大に配る交付金を毎年1%減らす一方で、授業料や寄付金などの自己収入を1・6%増やすよう促し、43年度に交付金と自己収入を同額程度にするよう求めた。
公立小中学校の教職員定数は27年度で約69万4千人に上る。財務省では少子化で児童・生徒数が減ることなどを考慮すると、向こう9年間で児童生徒数などに連動する「基礎定数」が約3万3千人減ると試算。いじめ問題などに対応し、政策的に上乗せしている「加配定数」は学級数に対する人数の割合を維持した上で、少子化影響を当てはめると約4千人減るとした。
財務省は今年5月、教職員を向こう9年間で約4万2千人減らせるとの見積もりを示したが、最新の学級数や子供人口の予測などを基に試算し直した。定数を削り28年度以降の予算編成で歳出抑制につなげる。
この日の会合で、財務省は国立大学への運営費交付金を毎年1%ずつ減らすよう提言した。25年度の国立大学への交付金は1兆1774億円。これに対し自己収入は7370億円と収入全体の約3割にとどまる。財務省は、43年度に交付金を9826億円に減らす一方、自己収入は9807億円に引き上げるよう、大学側に構造改革を促す。
また、財務省は在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)を28年度以降に減額する必要性も主張した。安全保障関連法の成立で国防を米国に頼る構図が緩和されるとみて、娯楽施設の運営費などを抑え、予算を削りたい考えだ。