「和食さと」などで違法な長時間残業の疑い 大阪労働局

朝日 DIGITAL 2016年9月29日
http://digital.asahi.com/articles/ASJ9Y56NLJ9YPTIL015.html

 「和食さと」など飲食店427店舗をチェーン展開する「サトレストランシステムズ」(大阪市中央区、重里欣孝社長)が系列店で違法な長時間残業をさせ、残業分の割増賃金を支払わなかったとして大阪労働局は29日、同社と店長ら5人を労働基準法違反(長時間労働)などの疑いで大阪地検に書類送検し、発表した。

 労働局によると、大阪府内にある同社の系列店「和食さと」「すし半」「さん天」の計4店舗などの店長ら40〜50代の5人は2015年1〜11月、社員やアルバイト計7人を、労使協定で決めた残業時間(月40時間)を超えて残業させた疑いがある。残業はそれぞれ月最大で49〜111時間だった。うち2人の店長は従業員3人に、残業分の割増賃金各約3万4千〜22万5千円を支払わなかった疑いがある。

 全国の労働局は同社の系列店に対し08年以降、計18回長時間残業などの指導を繰り返しており、従業員からの情報提供を受けた大阪労働局が送検した。

 同社は今年3月に委員会を立ち上げて調査。14〜15年度にのべ653人分、約4億6千万円分の未払いが発覚し、今年5月にほぼ全額を支払ったという。

 重里社長は労働局に「飲食業は長時間労働が当然という風土があり、解消できなかった」と説明。同社は深夜営業の短縮などで「違法な長時間労働はなくなった」としている。

 厚生労働省は昨年4月、「過重労働撲滅特別対策班」を東京と大阪の両労働局に発足させており、大阪の対策班による摘発事案は2件目。

この記事を書いた人