朝日DIGITAL 2017年4月26日
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広告大手の電通が社員に上限時間を超えた残業をさせていた労働基準法違反事件で、同社の山本敏博社長がこれまでの厚生労働省の任意聴取に対し、社員の勤務管理が不十分だった、と述べ、法人としての責任を認める説明をしていることが関係者への取材でわかった。検察は同社を立件し、刑事処罰を求める方針で調べている。
厚労省は25日までに、本社と関西(大阪市)、中部(名古屋市)、京都(京都市)の3支社の管理職の社員計4人と、法人としての同社を書類送検した。自殺した高橋まつりさん(当時24)を含む部下計7人に対し、計43回にわたって労使で決めた1日あたりの残業時間の上限(5時間半)を超えて働かせた疑いがある。
関係者によると、山本社長は厚労省の聴取に対し、高橋さんらについて労使が決めた上限を超えた残業があったことを認めた。会社として「もっと取るべき対策があった」などと話したという。
検察も今後、関係者から事情を聴くとともに、防止策が十分だったかについても調べ、求める刑の重さを判断する。
労働基準法は違法な時間外労働の罰則として、法人に対し、30万円以下の罰金刑を定めている。複数の違反があれば加算される。