教員 労働改善へ制度改革を ネット署名、2万人突破

毎日新聞  2017年5月13日
https://mainichi.jp/articles/20170513/k00/00e/040/233000c

「教職員の働き方改革推進プロジェクト」

 公立学校の教員の時間外労働に上限規制を設けるよう求めている大学教授や過労死遺族らの団体「教職員の働き方改革推進プロジェクト」が12日、文部科学省で記者会見し、教員に時間外手当の支給を認めていない教職員給与特別措置法(給特法)の見直しも含めた制度改革の必要性を訴えた。

 賛同を求めるため、1日から始めたインターネット署名は12日現在で2万人を突破した。6月までには4万人分を集め、文科相と厚生労働相に提出する予定だ。
 
 会見には小学校教諭だった妻を昨年2月に亡くした元教諭の石川県白山市議、山口俊哉さん(52)も出席。妻の聡美さん(当時51歳)は1年の学年主任だったが、他の担任に若手が多かったことなどから負担が大きく、長時間労働が恒常化。昨年1月、職員会議中にくも膜下出血で倒れ、帰らぬ人となった。

 公務災害を申請しようとしたが、学校が勤務時間を管理していなかったため難航。職場のパソコンの起動時間から、生前の時間外労働が月100時間前後に及んでいたと推定し、今年2月に申請にこぎつけた。

 山口さんは「学校は教員の労働時間をしっかり把握してほしい。教員の定数を改善し、授業以外に使える時間を増やすことも必要だ」と話した。

 会見に出席した樋口修資明星大教授は「教員がこんな労働条件で、子どもたちの豊かな学びを保障できるのか」と強調。給特法の廃止も含めた見直しを訴えた。(共同)

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