残業する社員はいないか ドローン、終業後の職場を監視

 朝日DIGITAL 2018年1月25日

https://digital.asahi.com/articles/ASL1S52NHL1SOIPE016.html

大成が開発した見回りドローン(写真省略)

働き方改革にちなんだ様々な新商品が相次いでいる。長時間労働の抑制や職場環境の見直しといった動きが「商機」につながるためだ。おしゃれで最新のオフィス家具が並ぶ職場の「上空」をドローンが飛び、残業している社員を見回る――。そんな職場が増えるかもしれない。

ビルメンテナンスの大成(名古屋市)は今年10月、ドローンを使って残業をチェックするサービスを始める。都内のベンチャー企業が機体を開発し、通信技術はNTT東日本と協力した。直径45センチ、重さ1・3キロのドローンは秒速30センチ〜1メートル。終業後に飛行して職場を撮影し、映像はパソコンなどで見られる。人事担当者や上司は、働きすぎの社員がいるかどうかを確認できる。

警備員の人手不足に対応するため、巡回用ドローンを開発していたが、残業抑制が世間で注目を集めていたことから使途を広げた。サービスはレンタル代も含めて月額50万円前後を想定する。4月からは数社で試験導入する。大成の広報は「企業の人事担当者は帰宅を呼びかけるために残業したり、残業中の社員に疎まれたりといった悩みを抱えていた」と話す。

働き方改革の一環として、オフィス用品を買い替えたり、配置を見直したりする動きも増えている。オフィス家具の岡村製作所(横浜市)は昨年12月、名古屋市で大規模な新製品展示会を開いた。高さを電動で変えられる机、カラフルなソファなど約200点を展示した。白根健司・中部支社長は「地元企業が好業績で、働き方改革の後押しもある。二つの追い風が吹いている」と話す。

このほか、JTBコーポレートセールス(東京都)は昨夏、体験型プログラム「働き方改革への旅」を発売し、社員旅行にカーリングや運動会といったプログラムを組み込んだ。職場の一体感と、働く意欲を高めることを狙ったという。

また、在宅勤務などに対応するためのノート型パソコンやタブレット端末のほか、業務の共有やセキュリティー対策といった情報通信サービスも需要が伸びているという。調査会社IDCジャパンは、国内の働き方改革に使われるICT(情報通信技術)市場が、2016年実績の1兆8210億円から、21年は2兆6622億円に増えると見込む。(高橋諒子)

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