朝日DIGITAL 2018年1月25日
厚生労働省は、働き方改革関連法案の柱である残業時間の罰則付き上限規制と、非正社員の待遇改善に向けた「同一労働同一賃金」の施行時期を、中小企業については1年延期する方針を固めた。残業規制は2020年度、同一労働同一賃金は21年度から適用する方針。大企業も同一労働同一賃金の適用時期は1年遅らせて20年度とする。
働き方改革関連法案は昨秋の臨時国会で審議される予定だったが、衆院解散の影響で先送りされた。政府は今通常国会での可決・成立をめざすが、予算案などの審議が優先されるため、法案の成立は早くて5月以降になる見通し。安倍晋三首相が自ら決めた衆院解散の影響で看板政策の実施が遅れることになる。
厚労省は当初、残業上限規制の導入時期を19年4月、同一労働同一賃金の適用時期は大企業が19年4月、中小企業は20年4月とする方針だった。法改正に対応するには労使協定や就業規則を変える必要があり、企業の準備が間に合わないとして施行時期を猶予するよう求める声が与党議員から出ていた。厚労省は今後、与党と調整のうえ施行日の延期を正式に決める。(米谷陽一、村上晃一)