政府(国土交通省)と建設業界労使が話合いを通じて「建設キャリアアップシステム」を作りました。この4月から本運用が始まっています。
建設業界は、低賃金・不安定雇用、厳しい労働環境など、多くの問題を抱えており、とくに若い労働者から敬遠されて、深刻な労働力不足の状態になっていました。その改善となるのか、新システムが、労働者が人間らしく働ける民主的な職場になるためのシステムとして有効に機能するのか、注目すべき動向だと思います。
韓国でも類似の「改革」が進んでいます。今後、関連した情報を集めて、エッセイなどに書きたいと思っています。(W)
□国土交通省
説明資料
□建設キャリアアップシステム
□全建総連(全国建設労働組合総連合)
建設キャリアアップシステム
〇建設キャリアアップシステムを創った目的
日本全体の就業者人口が減少する中、全ての産業で担い手の確保が共通した課題となっています。
特に建設業は他産業に比べて高齢化が進んでおり、60歳以上の技能労働者が約4分の1を占め、10年後にはその大半の引退が見込まれます。これから建設業を支える29歳以下の割合も全体の約10%程度、新規入職者数はこの20年でピーク時の約半分(H7:7.8万人→H27:4.0万人)に減少するなど、若年入職者の確保・育成、担い手の確保が喫緊の課題となっています。
賃金についても建設業の現場労働者の賃金カーブのピークは製造業の生産労働者よりも早く到来する傾向があり、30代後半でピークの水準に到達していることから、現場の管理、後進の指導等のスキルが適切に評価されていない可能性があります。
また、技能者個々の能力を統一的に評価する業界横断的な仕組みがなく、技能者のスキルアップが処遇(賃金)の向上につながっていかない構造的な問題があります。
〇システムの概要
〇システム利用によるメリット
〇システムを活用した政策展開
〇登録申請
〇建設キャリアアップシステムの質問、問い合わせ
リンク先
・建設業振興基金
・国土交通省/建設キャリアアップシステム
□全京都建築労働組合
建設キャリアアップシステム 京建労本部でも申請受付
2019年3月28日
建設キャリアアップシステム(CCUS)の全国登録数は1月末現在で技能者が9300件、事業者が6500件となっています。
3月1日から建設業振興基金のホームページにも「認定登録機関」として掲載され、組合外からの申請も受け付ける窓口として機能しています。今後、組合内では技能評価での具体化先行職種である鉄筋、とび、型枠などへの登録よびかけを本格化していきます。
「技能者」「事業者」の登録問わず、CCUSに関するお問い合わせは京建労本部までお電話ください。
【建築ニュース1140号(2019年4月1日)】
□東京土建一般労働組合
2019年4月から本格運用開始の「建設キャリアアップシステム」は、技能者の資格、社会保険加入状況、現場の就業履歴等を業界横断的に登録・蓄積する仕組みです。
このシステムの活用により技能者が能力や経験に応じた処遇を受けられる環境を整備し、将来にわたって建設業の担い手を確保することを目的としています。
□横浜建設一般労働組合
建設キャリアアップシステムが建設業を変える!
□埼玉土建一般労働組合
「建設キャリアアップシステム」が始まります
産業の民主化のたたかい
「建設キャリアアップシステム」が始まります
ICカードを利用して、労働者の技能と就業実績を管理。適正な評価と処遇をめざすシステムが秋から本格稼働します。
ICカード発行には手数料が必要ですが、2018年4月1日現在30歳未満の方限定で、動画配信による説明を視聴すると、登録料が無料になるキャンペーンを実施中です。
□建設現場の外国人「処遇改善」で日本人と大差
建設キャリアアップシステムで何が変わるか
千葉利宏・ジャーナリスト 東洋経済オンライン 2019/04/15